漢方相談室より

漢方相談室の日常を、気ままに、あるがままに綴っております。肩の力を抜いてご覧いただけたら幸いです。

背水の陣

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先日、放送された「NHKプロフェッショナル」

大相撲の裏方特集だった。

裏方と言っても、小学生時分から相撲好きだった自分にとっては十分に花形である。バチ当たりにも、当時は「呼出し」や「行司」の振る舞いをよく真似たものである。

その “行司” と言えば、
知る人ぞ知る、木村庄之助式守伊之助である。

二つの名跡は、立行司(たてぎょうじ)と言って、行司の最高位に君臨する。いわば行司の横綱であるから、結びの一番を取り仕切るのは、この立行司ということになる。

番組では、その行司の重責のすさまじさを披露した。勝敗がつくと、間髪入れずに判断しなければならない。差し違えれば(誤審)、それは進退問題にまで発展する。

昔ならば切腹ものだ。
立行司の懐に差してある短刀は、その意思の表れである。

現在、木村庄之助は空位であるため、
式守伊之助がその任にある。

その式守伊之助は、なんと越谷在住。
だからどうということはないのだが、やはり親近感が湧くものだ。

幾度となく繰り返された差し違え、そして出場停止処分。家族も巻き込んでの苦悩と葛藤。今後は、行司の軍配(判定)にハラハラドキドキしそう。。。

現代では、さすがに切腹はないが、何よりも恥ずべきことだとされる。辞職に追い込まれる行司もいる。なんとも残酷だ。

一瞬の判断のための平常心が求められる。

「ただ、ただ、無心に・・・」

プロフェッショナルでお約束のテロップ。

大いに自問自答しました。


漢方の相談、、、
このように背水の陣で臨んでいるだろうか。。。

 

今後とも心して臨みます。

 

 

 

誰の利益?(2)

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それから程なくして一本の電話が入った。(誰の利益?(1)の続き)

「おかげさまで、衝撃の事実が分かりました!」

 

糖尿病専門医に診断を仰ぎ、教育入院を経て、新たな事実が分かったのだと言う。

”クッシング症候群”


それは、副腎にできた腫瘍(良性)が原因で、コルチゾールというホルモンが過剰に分泌される病気だ。コルチゾールステロイドホルモンであるため、ステロイド薬の副作用と同様の症状に悩まされることになる。

顔がまんまるになり(ムーンフェイス)、手足が細いわりに体幹部に脂肪がつきやすくなる。筋肉の脱力感、血圧や血糖値も上昇する。

すべてが腑に落ちた。

この病気は骨ももろくなるため、骨折しやすくなる。そもそも、この方の骨折は整体治療院での施術に、もろくなった骨が耐えられなかったことによると考えられる。

 

電話口の向こうからは感謝の言葉が絶えないが、、、どこか心苦しい面もある。

食事や運動の指導という名目で、様々な制約を強いてきた。そして、、、

「そんなに食べてないんですけれど・・・」

こんな自己防衛もさせてしまった。今思えば、本当にそうだったのかもしれない。気の毒なこと言ったな。。。

何事にも謙虚な姿勢が大事。

漢方は有効な治療手段だが、それに固執することがあってはならない。必要とあらば、病院での検査を促す。また、現在治療中であったとしても、腑に落ちない点があれば、医師に説明を求めることや、場合によっては転院や再検査を促す。

どんな時でも、患者さんの利益が第一である。

そのためにも、正しい認識をもち、その時、その方に何が最善かを考える。。。

  

今後とも精進します。

 

誰の利益?(1)

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それは、痛みの治療がきっかけだった。

患者さんは40代女性。初めて相談にいらした時、自力では歩行困難なほどの激しい痛みだった。

すでに幾つかの病院で検査したそうだが、原因は分からず、痛み止めの薬も全く効かない。漢方相談ではよくあるケースだ。

こうした場合、もちろん漢方薬痛みを緩和することは可能だ。しかし、原因が分からなければ長期間の服用を強いられることになる。漢方薬とて、長く服用して頂くのは本意でない。


そこで、再び他院での検査を促したところ、坐骨と恥骨の骨折が判明した。自力で歩けないはずである。

結果、漢方薬は痛みの緩和を目的に、骨折が完治するまで服用して頂いた。


話はここで終わらない。。。


相談では、現在服用中のお薬や検査データなど、できるだけ多くの情報を開示して頂くことにしている。もちろん、薬の飲み合わせチェックが目的でもあるが、現在お悩みの症状との因果関係も確認する必要があるためだ。

さて、高血圧、糖尿病、高脂血症の薬を服用中だったが、血糖状態を示すHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の値が高い。その一方で、頻繁に冷や汗や手指のふるえなど低血糖と思しき症状を訴えている。

血糖コントロールが上手くいっていないのである。

この患者さんは、仕事がらやむを得ず食事の時間が不規則になりがちで、服用薬のタイプだと適合しづらい。従って、ライフスタイルに合わせた薬の選択が求められる。


そこで、医師に処方薬の再検討を促してみることにした。

回答は、、、

「薬の変更は必要ない」
「専門病院への紹介もしない」

というものだった。かと言って食事や生活指導の形跡もない。。。

調べると、この医院が標榜するのは整形外科、リハビリ、内科である。患者さんには分かりづらいだろうが、専門は整形外科と思われる。


専門外だからどうこう言いたいのではない。

それって、本当に患者さんの利益になりますか?

ということである。

 

これは、医療人として常に自問自答すべきことである。(つづく)

 

 

癒しの香り

ヒマワリとキンモクセイのコントラスト。。。

 

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季節が移り変わろうとしています。

 

そろそろ秋も本番です。

 

 

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「天高く馬肥ゆる秋」

「食欲の秋」

「読書の秋」

 

季節の移ろいはゆっくりなほど、カラダに優しい。

 

どうか、お急ぎになりませぬように^_^

 

 

あいうべ体操?

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〇〇湯(漢方薬)はありますか?

入店するや否や、開口一番こう切り出されることがあります。漢方薬局の日常あるあるです。

こうした切り出し方は、一種の挨拶のようなもの。「ちゃんと話を聞いてもらえるだろうか?」という隠れた気持ちがあると心得ております。もしも、言葉を額面通りに受け取って即座にお薬をお渡しすれば、きっとその方は拍子抜けすることでしょう。

  

さて、昨晩の出来事。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)はありますか?」

サラリーマン風、40代と思しき男性です。

「どうなされましたか?」

返す刀で問いかけると、鼻腔から咽喉(のど)にかけて違和感があり、血混じりの鼻水が咽喉に降りてくるのだとか。もう一年にもなるそうです。

これまでに耳鼻科を転々としたが、原因が分からず治療法もない。そこで、ネットで調べていくうちに「咽の異物感(ヒステリー球)に半夏厚朴湯」がピンと来たのだそうだ。

ここで、まずは事の始まりを考える必要があります。

聞けば、「あいうべ体操」を始めた時期と重なるとか。。。

「ん?? あいうべ体操?」・・・二度聞き返しました(笑)

実際、「あ」「い」「う」の後に、舌を出しながら「べー」と発声する体操のようです。口呼吸を鼻呼吸に改善したり、風邪やインフルエンザの予防効果があるのだとか。

何度も繰り返し行うだけでも口が渇きそうです。

また、この方はアレルギー性鼻炎にて市販の抗アレルギー薬を常用しています。しばしば鼻洗浄もするそうです。

 

なるほど、、、これです。

鼻腔や口腔粘膜が乾燥して、傷ついていることが予想されます。市販のアレルギー薬は、古いタイプのものですと粘膜が異常に乾きます。鼻洗浄も、水道水を使って行えば乾きを助長するでしょう。

なんとか自分で治そうとして、様々な方法を試してきたことが裏目に出たのかもしれません。そこで、半夏厚朴湯に辿り着いた。

 

しかし、これは不適です。

半夏厚朴湯には半夏や厚朴という生薬が入っています。これらは燥性があり、余計に乾きを助長する恐れがあるためです。

この場合、麦門冬湯(ばくもんどうとう)が適します。半夏も含まれますが、それ以上に粘膜の乾きを潤す生薬を含んでいるためです。

ただ、優先順位からすると、、、まずは現在服用しているお薬や、鼻洗浄を中止することが先決です。季節がら乾燥しやすくなるため、飴などで咽喉を潤すことも必要でしょう。

結果、漢方薬はお出ししませんでした。

「1週間様子を見て、それでも改善しないようならまたいらしてください。」

傷が癒えるのに、少し時間がかかるのです。

一連の説明に納得されたその男性は、意気揚々と帰って行かれました。

最善の策を考えること。これもまた我々の役目です。

 

 

東洋医学?

f:id:kampo-shinseido:20170926161700j:plain今や「コンビニの数より多い」とされる歯科医院ですが、それをはるかにしのぐ勢いで増え続けるのが接骨院整骨院)。

”ほねつぎ” と呼ばれていた時代には、街でもめったにお見かけしませんでしたよね。

さぞかし大変な業界だと慮る一方で、
なぜか肩こりや腰痛で保険が利いたり、回数券があったり、なかには毎日通うと無料、などと商魂たくましさを感じるところです。

突っ込みどころ満載ですが。。。(^_^;)

こうした情報は、患者さんから得られることが多いです。

先日も、耳にしたことのない治療法を知りました。

”レインボー療法”

なんでも、東洋医学もとづいた治療法なのだとか。
何がレインボーなのかというと、人のカラダを虹色の数だけタイプ分けするためだとか。外からツボを刺激するのに、ミサイル? 弾丸?のような形状の器具を使うようです。

やろうとしていることは分かるのですが。。。ここで整理しておきましょう^_^

東洋医学とは、漢方薬鍼灸(はりとお灸)、指圧、薬膳を指します。

「漢方の考えにもとづいたお薬」
東洋医学の考えにもとづいた治療」
・・・
このもとづいた、とは東洋医学とイコールではないということです。

もちろん、藁をもつかむ思いの患者さんからすれば、良かれと思えば試したいと思うのは自然なことです。たとえ立派な理論で説得力のある治療法であっても、効果がなければ何の意味もないわけですから。


ただ、なかには何の根拠もなかったり、法の範囲から逸脱していたり、あろうことか健康被害を訴えるようなケースが多発しています。

 
我々の役割は、漢方薬が一番だとか、他の方法がダメだとか、唯一無二の治療をお勧めする事ではありません。どんな治療法を選択されたとしても、安全に結果を伴えばそれで良いのですから。

ただ、明らかに知識や技術が不足した治療や、法外な値段の健康食品などに惑わされないようにと願うばかりです。

「言うは易し」ですが、それを判別するのが大変な時代になったと感じます。

患者さんには、なぜダメなのか、そしてどうすれば良いのか、などはっきり申し上げるようにしております(^_^;)

 

 

漢方は最善か?

身体の調子が悪い。。。

検査しても原因が分からない」
「治療を受けているが、思わしくない」
「現在、服用中の薬に不安がある」

 
でも、
どこに相談したら良いか分からない」
どのように伝えたら良いか分からない」

こうしたお悩みをお持ちではありませんか?

 

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私どもの理想は、街の駆け込み寺となることです。

健康に対する悩みがあれば、真っ先に相談できて、一緒に考えてくれる場所がある。そんな存在でありたい。。。

 

漢方を専門としておりますが、漢方に固執するつもりはありません。その方にとって、何が最善の方法かを考えます。

漢方薬を求めて相談にいらして頂いたにもかかわらず、薬を出さずに食事や生活指導を優先することもあります。

時には医師への伝え方、受診先や転院を含めたご相談など受けることもあります。

 

とはいえ、、、
漢方薬局は入りにくい(@_@)

そんな印象ですよね?(^_^;)

店は暗くて重苦しいイメージでしょうか?
気難しそうな店主を想像していますでしょうか?
 

いや、ちょっと待ってください(^_^;)

鹿の角やマムシ入りの瓶などございません。
心優しい(?)店主がお待ちしております()


どうぞお気軽に♪