漢方相談室より

漢方相談室の日常を、気ままに、あるがままに綴っております。肩の力を抜いてご覧いただけたら幸いです。

誰の利益?(1)

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それは、痛みの治療がきっかけだった。

患者さんは40代女性。初めて相談にいらした時、自力では歩行困難なほどの激しい痛みだった。

すでに幾つかの病院で検査したそうだが、原因は分からず、痛み止めの薬も全く効かない。漢方相談ではよくあるケースだ。

こうした場合、もちろん漢方薬痛みを緩和することは可能だ。しかし、原因が分からなければ長期間の服用を強いられることになる。漢方薬とて、長く服用して頂くのは本意でない。


そこで、再び他院での検査を促したところ、坐骨と恥骨の骨折が判明した。自力で歩けないはずである。

結果、漢方薬は痛みの緩和を目的に、骨折が完治するまで服用して頂いた。


話はここで終わらない。。。


相談では、現在服用中のお薬や検査データなど、できるだけ多くの情報を開示して頂くことにしている。もちろん、薬の飲み合わせチェックが目的でもあるが、現在お悩みの症状との因果関係も確認する必要があるためだ。

さて、高血圧、糖尿病、高脂血症の薬を服用中だったが、血糖状態を示すHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の値が高い。その一方で、頻繁に冷や汗や手指のふるえなど低血糖と思しき症状を訴えている。

血糖コントロールが上手くいっていないのである。

この患者さんは、仕事がらやむを得ず食事の時間が不規則になりがちで、服用薬のタイプだと適合しづらい。従って、ライフスタイルに合わせた薬の選択が求められる。


そこで、医師に処方薬の再検討を促してみることにした。

回答は、、、

「薬の変更は必要ない」
「専門病院への紹介もしない」

というものだった。かと言って食事や生活指導の形跡もない。。。

調べると、この医院が標榜するのは整形外科、リハビリ、内科である。患者さんには分かりづらいだろうが、専門は整形外科と思われる。


専門外だからどうこう言いたいのではない。

それって、本当に患者さんの利益になりますか?

ということである。

 

これは、医療人として常に自問自答すべきことである。(つづく)