漢方相談室より

漢方薬局店主による雑録です。肩の力を抜いてご覧いただければ幸いです。

東洋医学?

f:id:kampo-shinseido:20170926161700j:plain今や「コンビニの数より多い」とされる歯科医院ですが、それをはるかにしのぐ勢いで増え続けるのが接骨院整骨院)。

”ほねつぎ” と呼ばれていた時代には、街でもめったにお見かけしませんでしたよね。

さぞかし大変な業界だと慮る一方で、
なぜか肩こりや腰痛で保険が利いたり、回数券があったり、なかには毎日通うと無料、などと商魂たくましさを感じるところです。

突っ込みどころ満載ですが。。。(^_^;)

こうした情報は、患者さんから得られることが多いです。

先日も、耳にしたことのない治療法を知りました。

”レインボー療法”

なんでも、東洋医学もとづいた治療法なのだとか。
何がレインボーなのかというと、人のカラダを虹色の数だけタイプ分けするためだとか。外からツボを刺激するのに、ミサイル? 弾丸?のような形状の器具を使うようです。

やろうとしていることは分かるのですが。。。ここで整理しておきましょう^_^

東洋医学とは、漢方薬鍼灸(はりとお灸)、指圧、薬膳を指します。

「漢方の考えにもとづいたお薬」
東洋医学の考えにもとづいた治療」
・・・
このもとづいた、とは東洋医学とイコールではないということです。

もちろん、藁をもつかむ思いの患者さんからすれば、良かれと思えば試したいと思うのは自然なことです。たとえ立派な理論で説得力のある治療法であっても、効果がなければ何の意味もないわけですから。


ただ、なかには何の根拠もなかったり、法の範囲から逸脱していたり、あろうことか健康被害を訴えるようなケースが多発しています。

 
我々の役割は、漢方薬が一番だとか、他の方法がダメだとか、唯一無二の治療をお勧めする事ではありません。どんな治療法を選択されたとしても、安全に結果を伴えばそれで良いのですから。

ただ、明らかに知識や技術が不足した治療や、法外な値段の健康食品などに惑わされないようにと願うばかりです。

「言うは易し」ですが、それを判別するのが大変な時代になったと感じます。

患者さんには、なぜダメなのか、そしてどうすれば良いのか、などはっきり申し上げるようにしております(^_^;)